平安鎌倉古道で箱根に登る
お正月に三島にある実家に帰る前に箱根に登ろう企画。三島から箱根方面に行く道として箱根旧街道があります。江戸時代に箱根を越えるために使われた街道で、現在は石畳が敷かれるなど整備され歩く人も多いようです。この旧街道は三島地元のわたくしには有名な道なので登っても全く面白くありません。ある日ネットでその旧街道よりも前の平安時代に整備されたとされる「推定平安鎌倉古道」というのを発見しました。これは行ってみるしかない。
鎌倉古道が整備される前、箱根を越えるためには足柄道(北回りの道)が使われていたようですが富士山の噴火によってこの道がふさがれてしまったため、今回行った道が整備されたようです。とはいえ、とっても古い道。名前にも「推定」と入るように、たぶんこの辺じゃないのかなあ、というような道みたいです。道を作るために山が削られた跡などから推定されたようです。
なお、この「推定鎌倉古道」、「箱根のハイキング」という真辺征一郎氏の書かれた本に詳しいようですがこの本は絶版。実家に帰ったらこの本を母が所有していたり母が著者にあったりしていてかなりビビリましたが、現在手に入れるのはかなり難しい模様。ただ、地図が下記にあるのと、インターネットで検索すると行った人の記事がいくつか見つかりますのでその辺りを参考にすると良いかと思います。
今回通った道のGPS!
鎌倉古道後はちょっとゴニョゴニョしたのでGPSログは無しで。しかし、綺麗にログがとれたので拡大したりGPSデータをダウンロードすればかなり参考になるかと思います。
ログによれば8:50にスタートして別荘地にある看板に着いたのが12:25、おおよそ3時間半かかったようです。まあそこからが長かったんですけどね…。
三島駅からスタート。
三島は水の都。道端で水が飲めます。昔はこんなのなかったので割りと最近できたのだと思います。近づいたら自動で水を汲み上げてくれます。うまい。
桜川。朝なので川面から湯気が立ち上がってます。
三嶋大社。
初詣客で賑わう前日の静かな三嶋大社。
シャウエッセン屋台。この発想はなかった…。いいのかこれ。
本殿。ちょうど朝のお仕事開始時間だったのか、神社の人のミーティングというかお祓いというかそんな儀式が開催されていました。
さて、推定鎌倉古道スタート。
三嶋大社を出たらしばらくは街中を行きます。住宅街です。
朝の富士山。三島市からはこの程度の富士山ならば日常的に見ることができます。大きく見えますよ。
東海道線を越える橋。老朽化著しいらしい…。
延々と旭ヶ丘の住宅街を山田小、山田中に向かって登っていきます。
山田中付近から沼津アルプス。
山田中を過ぎると山っぽくなってきます。
山道の入口の看板。
こんなかんじになって、
右手に見えるこのゴリラが目印。
この時点で9:38。ここまで50分もかかるのですね。三島駅から旭ヶ丘行きのバスに乗ってしまったほうが楽ちんかも。
韮沢辻を振り返ったところ。
畑の中の道を登っていきます。
この鉄塔下の道は右へ。まあそんなに迷うことはないと思います。
畑。見通しが良くて気持ちが良いです。
本日の霜柱。
山中関所跡。ようやく古道感が出てきました。こんなところにも関所があったんですね。
平安鎌倉古道の説明があります。冒頭に書いたようなことが書かれています。
山神社。ここからさらに山道に入っていきます。
山神社の説明。
推定鎌倉古道の石碑。
少し歩くと諏訪神社があります。お正月前だったので綺麗にされていました。
こんな感じで看板があります。最近整備されたようです。インターネットで調べるとわかりづらいところもあるという記述もありますが、このように最近整備されたおかげで全く道中迷うことはありません。山神社の裏から山の方へ入れれば問題なし。
まずはこんな感じの山道。
箱根方面へ!登るぜ。
道中はあちこちにこの推定鎌倉古道の石碑があります。
笹薮と石碑。
写真だとわかりづらいですが桜の木です。これ春に来たら桜の花でトンネルができて相当綺麗なのではないかと思います。
前日に箱根は雪が降ったらしい跡が。
ちゃんと土が流れないように整備されています。
一旦林道に出ます。この林道はぶっ飛ばしている人もいるので気をつけてください。
林道を少しだけ箱根に向かって右手方向に行きます。
するとこんなところがあります。遠くから見ると柵があって入れないように見えます。
近づくとちゃんと人が一人づつ通れるようになっています。車、というか多分バイクとか自転車が入りづらいようにしてるんじゃないですかね。あちこちで車輪の跡があったので結構自転車で入ってきている人は多いんじゃないかと思います。自転車よけのために熊鈴を鳴らしていったほうが良いかと思います。
人が削って作った感じが出ています。
削られた跡をアップ。
この辺りも土が流れないように木が組まれていますが…
気が朽ちていてガンガン土が流れていってしまっています。この箇所はたいへん登りづらいです。
雪!箱根感が出てきました。
雪!結構滑る。階段は怖い。
尾根。ここまで来るともう鎌倉古道感は全然ありません。
谷底っぽいところを通り、
鉄塔が見えてきたらゴールは間近。
ゴール!芦ノ湖高原別荘地にたどり着きました。
別荘地の日陰の道路にも雪が残ってます。
地図を適当に見て別荘地の北側から芦ノ湖スカイライン沿いのハイキングコースに出られるかなあと思ったのですが、通れそうな場所にあったのはこの背の高いヤブでした。うへぇ。
さてこのあたりでワープ。
なんとかハイキングコースにたどり着きました。ここにたどり着くには別荘地の入り口を通って行くしか道はありません。決してそれ以外の道はありません。断じて。
隙間から見えた芦ノ湖と海賊船。地元民としてあの海賊船に乗ったら負けだと思っている。
三国山と富士山。三国山山頂付近ではヘリがアクロバット飛行していました。
本当は三国山まで行きたかったのですがちょっと時間的に厳しそうだしお腹がだいぶ空いたのでここらへんでお昼にします。
お昼は三島駅の桃中軒で買った駅弁。桃中軒のお弁当はとても美味しいのですよ!おすすめはうなぎ弁当ですが、今日は沼津香まだい寿司。
よく見ないと写真ではわかりませんが、締めたものと焼いたものがあります。どちらも旨味が強くてかなりレベルの高いお弁当です。焼いたほうが香りがいいです。普通焼いた奴って入ってないですよね。大変センスを感じます。
付いているわさびは生です。自分ですって使います。さすが三島です。
さて、腹も満たしたので実家まで帰ります。わたくしの実家は箱根の斜面に建っているのでここからそのまま下っていけないのかなあというプランです。まずは箱根峠を目指します。
本日最大の霜柱。
芦ノ湖沿いのハイキングコースを歩いているのですが結構アップダウンがある。この写真では大したことないけど、結構雪が積もっていました。
芦ノ湖と箱根駒ヶ岳と神山。次回箱根に来たらあそこに登らねば。
雪の階段怖い。
箱根峠ついたー。で、峠っぽい写真は特にないのでエヴァの充電器。帰ってきてから気付いたのですが箱根峠まで来る必要はなかったのです。そのため時間がかなり切羽詰まってきています。この時点で2:30。
箱根旧街道の石畳。しかしこの道は行きたい方向と逆方向という…。
道路をくぐる。
結構天井低い。
石畳を降りきったところで違和感を覚えGoogle Mapsで間違いに気づいてきた道を引き返し…。箱根峠から三島方面へ行くには歩道もなくて車しか入ってはいけないように見える道路の端を歩くしかないようです。
別荘地入り口入ったところにある旧街道へ行く道。こっちには行きません。
石碑。
別荘地から見える駿河湾と伊豆半島。わかりづらいですが中央にある鳥の頭っぽいのが伊豆半島です。
ワープ!
秘密の道。たぶん森を管理するための道路なのだと思います。なんかWindows XP感がある。
夕方の富士。
沈む夕日。
ある程度道を進んで振り返ると、お、おう、そうか。
夕方の伊豆半島。
隙間からのぞいた富士。
ほぼ夜の富士。富士の左下あたりに明かりが見えます。あれは富士宮口なのでしょうか。
温泉ついたー!5:30着。だいぶかかってしまいました。入る温泉は湯郷三島温泉です。マイナーすぎてここを見ている人はまず使わない温泉でしょう。三島カントリークラブに隣接しています。なかなかいい温泉でした。昼だと富士山が見えたり眺めが最高らしい。
風呂あがりビール!山な格好を見てかなり高齢のおばあさまから話しかけられました。70歳で槍をやったとか穂高縦走したとかいう素晴らしい話を聞く。すげぇ。わたくしも元気に登り続けたいですね。
温泉からは父に車で迎えに来てもらって帰宅。宴会!
大トロ。
ぬか漬け。
なんだっけこれ。
五目きんぴら。好物。
そして酒は大信州の仕込五号。うへへ、超美味しい。今回は山に登るので事前に送っておいてあけないでねって言っておいたのに開けられました。もう二度と酒は送付してはならないと思いました。
2013年ラストに実家の裏側に登れていい締めくくりになりました。推定鎌倉古道は景色も大して良くないのであまりおすすめできるコースではありませんが、子供の頃慣れ親しんだ土地を歩くというのは大変面白いものでした。今回の道は急な上りは全くありませんが、地味に900mぐらいは登っていました。そして歩いた距離はGPSによるとなんと30km、9時間近く歩くというなかなか長時間のハイキングとなりました。